藤井風”grace”でインドロケされた理由に迫ります
藤井風さんの曲”grace”のMVはインドでロケされました。
MVにも登場するインドの神様やこの歌にはどんな意味があるのでしょうか?
ヒンディー文字で書かれた藤井風グッズもたくさん販売されています。
一体どういうことなんでしょうか?
藤井風 graceに登場するシヴァ神の意図は?
タイやインド、そのほかの国でも大絶賛の藤井風さんの最新ミュージックビデオ『grace』はインドで撮影されインドの神様が出てきます。
MVを観る人は突然シヴァ神が出てきますのでご注意ください。
私はこのMVをはじめてみた時に正直驚きました。
藤井風さんの曲には仏教的な意味の歌詞が多いと感じていたからです。
ところがインドでガンジス川で沐浴する藤井風さんの姿を見て私は混乱しました。
シヴァ神はインドで人気の高い神様です。
私も好きな神様なのですが、突然MVに出てきたのでびっくりしました。
シヴァ神と手を合わせて同化する表現があります。
サイババは「(私は)シヴァとシャクティの化身だ」と言っているので、それでMVにもシヴァ神を登場させたという推測が一つ。
もうひとつは、藤井風さんが生まれた頃に訪れたのが、このハリドワール(シヴァ神の聖地)で、ハリドワールの寺院にご縁があり、ここで祝福を受けていたのではないかという推測です。
これでMVの表現の辻褄が合います。
インドで一番多い信仰はヒンドゥー教で、シヴァ神はヒンドゥー教の神様です。
歌詞のメッセージは『自分自身を見つけて自信を持つ』というシンプルな歌ですね。
インドでも好評のようで英語でのコメントも多く、コメント総数は17,000を超えています。(2023年1月現在)
No fancy clothes, no expensive bikes… just a masterpiece
「おしゃれな服もない、高いバイクもない、ただただ完璧!」というコメントが印象的です。
ロケの中心地、ガンジス川源流、巡礼のメッカ・ハリドワールはこちら。
MVのロケ地などはこちらのブログが参考になりそうなのでリンクを貼っておきます。
藤井風”grace”でインドで撮影された理由
12月28日、NHK MUSIC SPECIAL『藤井風 いざ、世界へ』特番で放送された番組の中で、藤井風さんの心のルーツがインドにあることが紹介されました。
驚かれた方も多いのではないでしょうか?
日本で生まれ育った藤井風さんがなぜインドへ?
藤井風さんがインドに訪れたのはこれが初めてではなく、お母親のお腹の中にいた時に1回、生まれてから1回、祝福を受けるためにインドを訪れていたそうです。
happy birthday mom. you’re loved1999, in India
藤井風Instagram
お母様と一緒にオレンジの布を肩からかけています。
藤井風さんは一般的な人と違い、非常にレアな体験をされていますね。
オレンジ色はヒンドゥー教徒にとっては神聖な色とされています。
火葬の時にもオレンジの布に遺体を包むそうです。
藤井風さんはインドでヒンドゥー式の祝福を受けたようですね。
NHKの番組内で藤井風さんは「家族全員で(インドに)行った」と語っており、ナレーションで「ガンジス川のほとりで幼い頃父に聴かせてもらった懐かしい音楽が聴こえてきた」と流れます。
ですから、ガンジス川に行ったことは間違いないですね。
(サイババの住んでいたプッタパルティにはガンジス川は流れていません)
藤井風さんがヒンドゥーなら、”grace”の撮影がインドで行われた理由や、シヴァ神が出てくる演出は非常に理解できますね!
日本のヒンドゥー教徒は約5000人と少なく寺院もほとんどありません。
世界的に有力な外来宗教では、イスラム教信者が約12万人から18万人、バハイ教信者が約1万2000人、ヒンドゥー教信者が約5000人、ユダヤ教信者が約2000人、シク教信者が約2000人であるという。
日本の宗教Wikipedia
(タイの僧侶はオレンジ色の服装・糞雑衣(ふんぞうえ)を着ています)

ヒンドゥーと仏教は全く別のものではなく、ヒンドゥー(バラモン教)がルーツになっています。
お寺や神社にはヒンドゥーの影響を受けた神の化身が祀られていたりします。

graceのロケが行われたハリドワールと、サイババのアシュラムがあるプッタパルティは日本の北と南ほど離れており、ロケは行われていませしNHKの特番にも出てきません。
そう考えると、藤井風さんはサイババに祝福を受けたのではないことがわかります。
アルバムのタイトルが2作品ともサイババの言葉だった?
藤井風さんのファーストアルバムが『HELP EVER HURT NEVER』。
セカンドアルバムが『LOVE ALL SERVE ALL』。
藤井風さんのアルバムタイトルが2作品ともインドのスピリチュアルリーダー、サイババの言葉そのままだったのです。
ということで、藤井風さんはサイババを信仰しているのではないかと思われていますが、どうでしょうか?
これもびっくりですが、以前のYouTube動画を観てみると、部屋にサイババの写真が飾ってあることがわかります。
お父様が大事にしているのか?藤井風さん自身が大事にしているのかはこの時点ではわかりませんが。
特に隠す様子もなく自然に飾られていますね。
ほかにも藤井風さんのスマホの壁紙がサイババの写真のような感じがする動画もあります。
非常に大事にしていることがわかりますね。
私は過去のカヴァー動画などでサイババの写真を認識していたのですが、そこまで気にならなかったし「サイババがいる」ぐらいの認識しかありませんでした。
藤井風さんはアルバムタイトルにした理由『父からよく聴かされていた言葉』とインタビューで答えています。
こちらがその時の動画です。
もしかするとほかにホームとなる宗教があるかもしれませんが、藤井風さんはサイババの思想についても学んでいたようですね。
『HELP EVER HURT NEVER』『LOVE ALL SERVE ALL』という言葉の由来をもっと深掘りして調べていくと、ガンジーもスローガンとして使っていたり、インドでは格言的言葉で(一日一膳みたいな感じ)作者不明の誰とも無く口にされていた言葉だそうです。
最高の道徳とは、常日頃他人のために奉仕し、人類の愛のために働くことである。
マハトマ・ガンジーの名言
藤井風さんの父親はいわゆるビートルズ世代で、ビートルズの影響でインド思想に興味を持ったのではないかと思います。
ビートルズがインド思想に影響を受けたのは有名な事実です。
よく調べてみると、ビートルズがインドで瞑想修行をしたのがハリドワールの近くのリシュケシュというところでした。
ビートルズは68年に、ヨーガの尊師マハリシの元で瞑想修行をして曲も作っています。

サイババ自身は宗教でいうとヒンドゥー教になるようです。
どの宗教でもサイババの元で思想を学び、奉仕活動はできます。
インドではグル(尊師)の元でヨーガとヒンドゥーを学ぶようです。
ですから、サイババは一人のグルということです。
(サイババの特徴は、世界で代表的な宗教の講義ができることで、たくさんの講話と本が存在します)
サイババ教などというものは存在しません。
日本だと、どのお寺の檀家になるのか?という感覚に近い(実際はすこし違う)。
ちなみに”grace”という言葉はサイババ関係の講演動画を聴いてみると何度か登場していましたが、普遍的な言葉だと思います。
サイババについては別の記事でまとめました。

“HELP EVER HURT NEVER” “LOVE ALL SERVE ALL“という言葉の由来は、インドの格言的言葉でガンジーも使っていたことがわかりました。(作者不明の諺のような言葉)
藤井風さんの2枚のアルバムがこのタイトルになったのも運命なのかもしれません。
HELP EVER HURT NEVER, LOVE ALL SERVE ALL
インドの格言
↓
ガンジーが提唱(19世紀ごろ)
↓
藤井風さんの父がこの言葉を大切にし、息子にも教える
ガンジーを尊敬していたと思われるサイババも提唱(20世紀)
↓
藤井風さんは座右の銘的にこの言葉を大事にしていた(21世紀)
↓
HELP EVER HURT NEVER
LOVE ALL SERVE ALL
藤井風さんのご兄弟、空さんが84年生まれで、藤井さんのご兄弟の名前の由来がインド風水からきているそうです。(Twitterフォロワー様に教えていただきました)
日本の90年代ごろサイババブームよりも前のことですね。
この2つの言葉は藤井風さんの1stアルバム(2020年)、2ndアルバム(2022年)のタイトルとして発売された。
※HELP EVER HURT NEVER, LOVE ALL SERVE ALL このふたつの言葉はHEHN Recordsが正式に商標登録をしており、ビジネス的にも権利的にもHEHN Recordsが使用しても全く問題無いようです。


まとめ
藤井風さんがヒンドゥと考えると、最近のステージ衣装や”grace”の演出の理由がわかってきますね。
祝福も受けていることから、ただのアジアン好き、インド好きとは違うのかもしれません。
藤井風さんの生い立ちなどはMUSICAムジカ(2022年5月号)で、80,000字のロングインタビューでたっぷりと語られています。
私も読みましたが、藤井風さんのことがよくわかる内容になっています。
雑誌の方はすでに品切れですがKindleならすぐに読むことができます。

藤井風さんはデビュー曲『何なんw』でもスピリチュアルな内容を歌っているし、宗教や心理学のリテラシーが高くないと理解するのが難解です。
『何なんw』ではハイヤーセルフとの対峙を歌っており、二元論ではなく一元論的な考えをまとめた歌になっています。
基本的には自分自身との対話や葛藤や悟りを歌っていますね。
藤井風さんのルーツを辿ると、心の中だけではなく、見た目の違いや言語の違い、宗教の違いを超えて、『みんな元々ひとつだった』という世界観が見えてきそうです。
graceの格となるメッセージ、『あなたはわたし わたしはあなた』『I AM YOU』のメッセージは超越した自我(自己を超越した意識)『みんなつながっている』を歌っているのではないかと思います。
藤井風さんがヒンドゥのマントラを唱えている動画もあります。
